常山酒造と大阪屋酒店のコト
父が生前、最期に取り引きを開始した蔵だった。
私もある程度、酒屋としての仕事にも慣れ、蔵元とのお付き合いに関しても大部分、私に実権を握らせてくれた頃だった。父は友人の酒屋ととある試飲会に出かけていた。
このころには父自身が蔵を見つけて取引を打診するのはことは非常に珍しかった。
試飲会から帰って来るや、
「いい酒を見つけたからこの蔵と取引しようと思う。」
と唐突に告げられた。
私の父の心を一撃でとらえたその酒の名前は
『常山』
渋い字体で書かれたその酒は福井の日本酒蔵だった。
どんな酒なのかと聞くとすっきりした辛口が得意な蔵だそうだ。
そしてどうやら私と同い年の息子がいるようだった。
私自身も父を一撃で射止めたその蔵が気になり蔵見学に行かせてもらった。
福井市内にあり、福井駅から車で5分ほどの比較的シティ派な酒蔵だ。何より駅近は助かる。
酒蔵出張は電車や飛行機や新幹線を乗り継ぎ、そこからレンタカーで2時間みたいなことがザラにある。現場に着いた時にはヘトヘトということは少なくない。主要な駅からタクッて5分は涙が出るほどうれしい。
蔵に到着すると、劇的に男前の若人が蔵に迎え入れてくれた。
(なんだこの蔵、珍しく顔セレするタイプの蔵か?)
そしてそんな彼とさっそくの名刺交換。
『常山晋平』と書いてある。
なんとこの目の前にいる男前の若人が私と同い年の蔵元だった。
カ、カツコイイ。。。
(むぅ、マスクは甘いのに酒は辛いとな)
いらぬことを考えた。
そして彼に蔵の中を案内してもらいながらいろいろな話を聞いた。
当時、常山酒造は栗山氏という杜氏がいたのだが、いずれは蔵元杜氏として自分の酒を醸してみたいという夢や、これからの酒蔵のあり方や方向性、取り入れたい機械、やりたいこと、やらなければいけないことなどが積み重なっている感じは同い年ということもあってか私自身も非常に共感することも多く話も弾んだ。なんせ話やすい!
VIVA同い年!!
なにより彼には実行力があった。
流通の整備。訪れる度に行われている大掛かりな設備投資。そして栗山杜氏の引退。大きな柱を失いながらも酒質を落とさず如実に研ぎ澄まされていく常山の辛口は付き合いだした頃の常山とは明らかに違う『美しい辛口』へと変化をしていた。
(むぅ、マスクはクールなのにハートはホットとな)
いらぬことを考えた。
革新を続けるを彼の辛口とフェイスからこれからも目が離せない。
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:日本中の酒蔵の中でおそらく一番イケメンの常山専務
:淑女の皆さんごめんなさい。彼はもう人のモノです。
:槽場汲みの会にて。自分で詰めた酒を店で売りました!!
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