町田酒造と大阪屋酒店のコト
衝撃しかない。
当時、日本酒の勉強のためにあらゆる日本酒を飲みあさっていた。試飲会があれば顔を出し、とりあえずかたっぱしから飲んでコメントを書いていくという作業を繰り返していた。
そんな中、『若手の夜明け』と呼ばれる若手の日本酒蔵を中心とした日本酒イベントがあり、知り合いの酒屋さんと一緒に行くことにした。例によって端から飲み、メモを取っていくというスタンス。その中の一つに町田酒造当時30半ばの町田社長がブースに立っていた。
見た目はまあよくいる感じのおじさん(笑)
テイスティンググラスを差し出し注いでもらう。一口・・・。
衝撃!!
芳醇に広がるパイナップルのトロピカルな香りに小気味よくはじける炭酸ガス。旨味と酸味のバランスもちょうどよく、口どけもきれいで優しくほどけながらキレていく。
なんだこの酒!?口に入れた瞬間から旨い。
一発で惚てまいました。
そして思う。人は見た目じゃない。
その後もほかのブースを回るも町田酒造が忘れられず悶々としているところへ、同行していた酒屋さんと合流。酒屋あるあるでお互いどこか気になった酒を言い合う中で、町田さんの話をすると、
「うち町田さんのお酒やってますよ。」
神か・・・。
光の速さでブースに戻りその酒屋さんに紹介してもらう。
ありがとう森下君!!
町田さんのお酒は勘に頼らない。一貫したデータ主義。そして自分の造りたいお酒のためなら手段を選ばない。地元のお米、地元の水、地元開発の酵母など地産地消の意識の強い昨今の酒蔵において地元米も使わず、水質すら無理やり機械で軟水にするほど徹底したストイックさ。それほどまでに自分の舌を信じぬいている。そんな洗練に洗練を重ねた町田酒造をぜひ味わってほしい。
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