木村酒造と大阪屋酒店のコト

”柱商品”というのはそうそう簡単にできるものではない。

商売をやっている人は分かるだろうと思うがお店をやっていると必ず出来上がるものでもある。それが”柱商品”だ。特に無名の商品を売るときは根気の作業だ。絶え間無く、かつ多角的な提案力が必要とされる。

どの蔵にも等しく愛情を注いでいるつもりではある。

時代の流れ、客層、土地柄、いろいろなものが絡み合いそれは形を表していく。

『角右衛門』は数少ないポスト勝ち取った英雄なのだ。

木村酒造が醸す『角右衛門』は弊社にとって間違いなくそのポジションに君臨している。

角右衛門が大阪屋酒店の柱商品になるまで10年かかった。

しかしながらこの蔵には10年かけてでも売り続けたくなる魅力があった。

まず、いい酒を造り続けてくれた木村酒造に感謝をしたい。


出会いは品川の高輪プリンスホテルで開かれた酒の会であった。それは秋田県の酒造組合が開催する年に一回の商談会のようなものである。レベルの高い秋田県の地酒蔵が一堂に会すとあって、毎年、問屋・酒販店・飲食店・メディアなどたくさんの業界関係者でごったがえす。酒販店になったばかりの私は目下勉強中で、あらゆる試飲会に顔を出し、片っ端からテイスティングとメモを繰り返していた。角右衛門醸造元の木村酒造もその会場にブースを構えていた。統一感のあるラベルに引き付けられブースへ。最初は季節ものの日本酒をテイスティングさせてもらった。

電気が走った。ウマすぎる。

トロピカルな吟醸香に口内で遊ぶ微発泡感。キレもよく心地よいフルーツの残り香が爽やかに滞留してくれる。

他の酒にも手が伸びる。通年商品の酒も飲んでみる。

使っているお米、精米歩合によってそれぞれ個性があり、お米の本来の甘みを大切にしながらも違ったタイプのお酒を醸していた。辛めのタイプ、旨味のあるタイプ、香りのあるタイプ。

「なんて器用な蔵なんだろう。」

私は酒屋になりたてであったため、取引に関しては社長の範疇であった。しかしその日は角右衛門が頭から離れなかった。

当時、弊社は焼酎が強く、日本酒というとラインナップは新潟のお酒がちらほら。売り上げのほとんどが新潟の酒蔵で形成されていた。しかし、様々な試飲会に行き飲み、蔵元にふれるにつれて感じはじめていたことがあった。

「ウチにある新潟の酒は確かにうまいが他の地方酒も系統こそ違えどうまいぞ。地域性もあるし面白い。味わいの選択肢も広がってお客さんにも喜んでもらえるんじゃないかな。」

その気持ちに角右衛門が背中を押してくれた。数多と試飲会に出たが初めて付き合いたい蔵があると社長に自ら打診した。角右衛門と出会ってから一年後だった。社長も快諾してくれ、震える手を抑えながら蔵に電話をし営業の石川さんが店に来てくれた。

大きな体に優しい笑顔と柔らかい物腰で、

「うちは米由来の甘みをだして旨さを引き出す。」

と言っていたのが印象的だった。自分が角右衛門を飲んだ時に初めて感じた印象と同じことを言っていたからだ。

無事、大阪屋酒店に角右衛門が並ぶことになった。

それからというもの角右衛門はメキメキとお客様の心をつかみ続け、10年の歳月をかけて大阪屋酒店の柱商品として成長を遂げた。

是非、うちの柱のを飲んでいただきたい。

角右衛門の購入はコチラ


:角右衛門の蔵元を囲む会(中央が木村酒造の石川さん)

:蔵の中に通じる入口


:私の人生を変えた酒として動画にしました!

:角右衛門をガッツリ使ってくれている飲食店さんと秋田へ蔵見学

:うだる暑さの中でのイベント出店。アツ過ぎて売れず・・・。

大阪屋酒店オフィシャルサイト

1923年創業の吉祥寺でこだわりの日本酒、本格焼酎、ワインを中心に販売しております。 お酒の楽しさ、お酒がつなげてくれる人と人、 生活の中にお酒があるということの豊かさを伝えていくために日々努力しています。 更に願わくば蔵元が丁寧に丁寧に想いを込めたお酒を飲んでいただければ幸いです。

0コメント

  • 1000 / 1000